夢がないなら

「将来の夢」に関してのお話というのが最近まですごく苦手で、進路を考えるだとか就職先を考えることが今も多少苦痛です。何からはじめて良いものかと難しく考えて手を出せずにいます。

実家を継ぐことは本当に自分がしたい事と言えるのかわからなかったし、読書は少しだけ好きだけれど作家になって面白い作品を作れるとも思えません。編集社で私がしゃんとスーツを着て大人しく机に向かうなんてイメージつきませんし、ジャンルもほのぼのしたファンタジー系の文庫本しか読みませんから司書など到底無理です。(ほんとにこれ中学の頃考えてました。)

あーだこーだと理由をつけて夢から遠ざかっていたのですが、専門学校に入ってしばらくしたある時SNSで知り合った友人に夢を尋ねられ、いつも通りに夢はないと答えました。いつもと違ったのは返答です。

「そっか。俺はあるよ、お金持ちになること。」

と30代後半の男性が大真面目に言うのです。

私は衝撃を受けました。そっかあ。それありかあ。確かに夢に違いないなあ。今まで理想の職業にばかり固執していて、いろんな形の夢があるという事にその時ようやく気付けたのです。

 

今の私が持つ夢は、手作りパンやジャムなんかを販売してオーダーがあればアニバーサリーケーキなんかも作ったりできるような小さな小さな個人店で、5人くらいの常連さんが月一くらいで遊びに来るような、くつろいで他愛もないような話をして息抜き出来るようなお店の店主になること。

ここまで夢を膨らませられたのは一度、夢のハードルをぐっと下げてくれた友人のおかげ。

うーん住むなら静かな場所かな、かわいいおばちゃんになりたいな、趣味を持っていたいな、人を喜ばせたいな。とぽこぽこ浮いた夢の欠片を詰め込んだものが私の夢。

 

きっと夢のないひとってたくさんいると思うけど、私みたいに理想的な夢の像を知らぬ間に作っていないかな。もしそうなら突拍子もないような事でもいいからやってみたい事を考えてみて欲しい。夢なんてどんな形でもいい!

目指す夢に困ってる誰かにとどけ!